「こんな感じになるけど、どう?」
ある日の夕食後。帰宅途中に『Prott』のアプリで作ったモックを妻に見せる。
「あっ、こう見えるんだ。んー気持ち悪いから、ちょっと直すね。」
そう言いながら、妻はダイニングの片隅に置いてあるiMacのマウスを動かして、モック用の画像を修正していく。
それを横目に、私は食後のコーヒーを飲もうと台所に立ち、電気ポットに水を注いでスイッチを入れました。
やり直しをスルーしたい。
開発作業で無駄な作業といえば、認識齟齬によるやり直しです。
これは時間の消費量の増加とともに、モチベーションも低下してしまうので、極力避けたいところです。
今までのアプリもそういったことが2度3度あり、結構な時間のロスとなった苦い経験がありました。
そこで、今回はアプリ開発の最初の作業として、モックを作ることにしました。
簡単、どこでもモック作り
『Prott』は手軽にモック作りができて、他のメンバとシェアもできるサービスです。
詳しい内容は、以前の記事を見てもらえればと思います。
この『Prott』はスマホ用のアプリが出ているのですが、これがかなり使いやすい内容になっています。
スマホのカメラで撮った写真がそのままモックになるので、紙に書いたラフ画なんかもすぐにモックに取り込むことが可能です。
さらに作ったモックにはURLが振られるので、そのURLを見てもらいたい人に送れば、その人もモックを試すことが可能です。
私の場合、最初はラフ画を紙に書いて、それをスマホで撮影してモックを作る、ということをやっていました。
ほぼほぼ動きが固まり、本格的にモック画像を作る段階になったら、朝にPCで作った画像をWeb版で取り込んでおいて、通勤時間中にスマホアプリで動きをつけてモックを作り、作り終わったら妻に見てもらうというサイクルを繰り返して、2人の認識を合わせていきました。
実機でアイコン画像を比較する
『Prott』のメリットは、モックが手軽に作れて簡単にシェアできるというところですが、実はそれだけではありません。
私たちが使っていて感じたもう一つのメリット。
それは『アイコン画像が実機で手軽に試せる。』ということです。
『Prott』はアイコン画像を設定することが可能です。
そして、アイコン画像を設定後にモックのURLをiPhoneから開き、そのURLをホーム画面に設定すると、ホーム画面に設定されたアイコン画像が表示されます。
これを利用して、アイコン画像のパターンをいくつか用意し、
アイコン画像を設定 → ホーム画面に設定 という手順を繰り返します。
すると、ホーム画面にアイコン画像のパターンが並ぶことになります。
これでiPhoneの実機を使って、色味やデザインの比較が可能になります。
さらに、競合アプリのアイコンと並べることで、他と負けていないか、印象が薄くないかなどのチェックも可能です。
この機能のおかげで、アイコンのデザインは以前に比べて、納得できる作りに仕上がりました。
動きが決まればあとは作るのみ
モックの動きが固まれば、必要な機能も概ね見えてきます。
(いよいよ本格的な開発作業の始まりかな。)
電気ポットの中の水が沸騰するのを眺めながら、そんな事を思っていると。
「あ。紅茶飲みたいかも。」
その声を聞き、私はカップをもう一つ用意し、紅茶のパックを入れたのでした。
妻は牛乳が多めのミルクティーが好きで、冷蔵庫にはまだ十分な量の牛乳が残っていたはず。
結婚生活が長いと、相手の意図がある程度読めるようになります。
それでも、新しいアプリを作る度に認識の違いというのは発生します。
夫婦でもこんな感じなのだから、仕事仲間となれば尚更ですよね。
認識を合わせるというのは大事な事だなとつくづく思いながら、私はマグカップにお湯を注ぐのでした。
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